全国ボランティアコーディネーター研究集会 (JVCC) は, 有志による手作りの集会として, 1994 年に誕生して以来, 毎年様々な活動分野・団体のコーディネーター及び関係者が実行委員会を組織し, ボランティアコー ディネーションの価値を追求してきました。25回目, 平成最後となる節目の今回は京都での開催となりました。

 今, 日本社会では, 高齢化や格差の進展により, 支えが必要な人たちが増えるなか, 国や自治体は財政難を理由に公的支援を拡充できずにいます。一方で, その穴埋めに市民の善意を取り込もうとする動きは広がりつつあります。また, 来年に開催を控えた東京オリンピック・パラリンピックでは, コスト削減を意図とした安易なボランティア活用に対し, 批判の声も上がっています。このような考え方の下, 市民が社会を支えるシステムの一部として組み込まれようとしている現実に対し, ボランティアコーディネーターはどのように向き合えばよいのでしょうか。

 今回の研究集会では,「ボランティアはコマじゃない」と警鐘を鳴らすとともに, それをただ憂いたり, 嘆いたりするだけではなく, それらの現実と向き合い, 市民の想いや力が活かされるシステムづくりへと結びつける「しなやかで, したたかなボランティアコーディネーション」についてみなさんと知恵を絞りたいと考えています。

  大きな力にあらがう術や仲間をぜひこの集会で見つけましょう。

 

全国ボランティアコーディネーター研究集会 2019 京都 実行委員長 志藤修史 

           (大谷大学 社会学部 学部長)